人たらし

7th water Lily /くぼきょうへい

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駅の階段を上がるといつもそこにある缶用のゴミ箱の穴は、世間に浸透し終えたあのプラスティックに埋められている。コロナ禍だからってわけでもなく、いつでも誰もその蓋を押し込むことはしない。イレギュラーが既存の流れを止める、ことは何にでもあり得る。噛み砕く力がないのに新しいものを吸い込むと喉に詰まる。背伸びしなくてもよくて、等しいと思う栄養を摂る。次の日そのプラスティックのあれは無くなってました。