人たらし

7th water Lily /くぼきょうへい

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誰かの為に費やす時間をどれだけ過ごしてこれたのかなと思い返している。例えば彼女の為に誕生日プレゼントを買う。って行為にしても、言い換えれば、彼女の喜んでいる顔が見たいから。世間的にプレゼントあげないのはやばいから。いい男に思われたいから。見栄を張りたいから。だったりするし、学校の誰もやりたくないような、クラス全員のノートを職員室に運ぶ作業だって、引き受ける理由は先生からの評価欲しさだったりした。自分を完全に犠牲にして誰かの為に何かをするような行為はなかなかできることじゃないんだろうなと思う。良い風に言うことも悪い風に言うことも、どの捉え方をされても、違うそうじゃない!って、自分の気持ちはこうなんだ!って言うしかできない。どんな行動にしても見え方は人それぞれにあって、それが結局なんなのかは本人が決めてしまえることなんだ。俺の思った事をただ人に伝えて、それが正義!正解!って言ってしまうことは簡単で、じゃあそこにはどんな気持ちがあるのかを知りやしないと、みんな疑いの目を背けることはないんだ。正解だ!と言える男気に惚れることもあるけれど、それを正解に導くためには正解を正解だと思ってもらう為の下準備が必ず必要になる。バンドで言うとそれが、mcであり、曲であり、演奏力であり、空気であり、経験だったりする。彼女の為に誕生日プレゼントを買うことも、その為に深夜のバイトを3ヶ月前からしていた。とか、下調べに時間を費やして、どのタイミング?もしくはタイミングを作るために入念な計画を立てていたり。じゃあこの場合は考える量、よりも、考える時間が人を信頼させる材料になる。嫌々だったとしても費やした時間が多ければ信用してもらえる。らしい。俺は自分じゃなくてもっと周りに嘘偽りなく使える時間がほしい。だから、ライブハウスでちゃんとライブしたいです。嘘っぽい話を台本みたいに話してライブするバンドにはまだ惹かれない。きっと良いところがちゃんとあるんだろうね、いつかその心も見せて下さい。俺は、人と、お客さんと、真っ直ぐ向き合ったり向き合えたり!そういう場所がライブハウスしか今は浮かばないです。わざわざ会って話すのも違う気がするし。誰かの為に費やせる時間があるのがライブハウスです。そしてみんなにとって誰かに費やしてもらう、そんな場所なんだよ〜