人たらし

7th water Lily /くぼきょうへい

1/19

最近は寝る前に必ずゾッとする話とか怪談を聞きながら寝落ちするのが日課になっていたけれど、寝ることが許されないぐらいやるべきことに追われていて、今さっきやっと一区切りがついた。今日は怪談聞きながら寝れるかな、、

昔から宇宙とかSFとか架空とか幽霊とか、身近に起きたことがないような話や未だに解明されていないようなことが好きで、よく友達と朝になるまでそんな話をしていたのを思い出す。宇宙の話をしていたのに、その話は相対性理論だとか、哲学的にだとか小火を吹いていたあいつは、本当にそれをわかっていたのだろうか?答えのないことを話し続ける先に答えはないのに、それが楽しかった日のことを思うと、きっと結論を求めていたのではない。芸人やバンドマンは赤裸々に下積み時代のことを懐かしいと笑いながら話す。それを聞いたりしていると、笑えない人間の方が圧倒的に多いんだろうと想像する。いつからだろう。一握りの光を見て、俺もそうなりたいと走り出すことを躊躇ったことなんてなかった数年前までの自分は、掌一杯の闇にばかり目を刺るようになってしまった。それはとても悲しいことなのかはわからない。一握りの光は自分から光ったのか、誰かに照らしてもらったのか。はたまた、自分が闇だったのか周りの闇に飲まれていたのか。そんな本当のことを気にしている。本当のことなんて誰にも分からない。結論ばかりに目がいくけれど、本当のことを知りたい。俺は今日も光りたいと思う。おわり