人たらし

7th water Lily /くぼきょうへい

自分勝手

好きになるのも嫌いになるのも自分勝手だったんだなと思う。僕らは出会って間もない頃、自分勝手でいることが相手を喜ばせるような、刹那の奇跡を繰り返していった。合わせるのではなく、偶然合うような気がした。その時に隠している気持ちが互いを大事にしたいと思う、思いやりという気持ちなんだと知った。自分勝手な僕らが自分勝手に想って好いて、それが相手が望んでくれるなんて、幾度とない幸福を味わう。忘れられない味になる。また味わいたい。でも、もう味わえない。そんな味をくれた誰かの為に、自分勝手を我慢するようになる。我慢が思いやりなのかもしれない。でも思いやりは思いやり合いをしなければならなくて、自分勝手ではいけなくなってしまう。どちらかが自分勝手に戻ると思いやれなくなる。始まりも終わりも自分勝手だな〜